top of page

スランプ(というか海の底)

執筆者の写真: Madoka NakamaruMadoka Nakamaru

更新日:2020年10月22日

8月もとうとう終わりを告げようとしています。皆様いかがお過ごしでしょうか?まるっとまどかは夏休みの数日をオーストリアの山で過ごしました。山は私の色々な気持ちをどっしりと受け止めてくれ、またさらにエネルギーもチャージできました。ベルギーに帰ってきてから数日は山が恋しくて。今まで自分は断然海派だ!と思っていましたが山もまた良いものですね。

さて、スランプはありますか?と聞かれることがありますが、まるっとまどかは結構ひんぱんにスランプに陥る方です。人生でも音楽でも。まあ、音楽=人生になってしまう私だから余計そうなのでしょうね。スランプは数日の軽い時から数年に渡ってと言うときも。「スランプって何それ?おいしいの?」と言った感じの強者も音楽界にはたくさんいますがね!そういった方は読まなくてよろしい(笑)

十年、二十年前はスランプに陥る、というかもともとアップアンドダウンの激しい自分を嘆いていましたね。スランプの時は見えない壁と闘っているようでした。

こうするとスランプに陥るからこうしてスランプに陥らないようにする!なんてテッテーテキに分析したときもありましたが無駄!自分よ、分析に費やした時間を返してくれ。何をどうやっても陥るときは陥るのです。

本番がスランプ真っ最中の時もありました。ベストを尽くすのは当然ですが自分としては音を楽しむというよりは苦悩、闘いの時。それでも演奏会後に「命が救われた思いがしました」と言ってくれる方もいて。むしろこちらがその言葉に命を救われたりして(苦笑)。スランプの時でもその演奏に何かを見出してくれる方がいらっしゃると言う事を励みにあきらめず舞台に立ちました。

若いときは(ついにこの言葉を使うときが来た)「歳とったらわかるよ」という大人のありがたいお言葉が大嫌いな生意気まるっとまどかでした。でもやっぱり「歳をとったから」わかった事があります。

「スランプの乗り越え方」にいまだ答えはありませんが「スランプとどのようにして共存するか」です。スランプになりそうな時、その時に溺れる!と思うからバシャバシャしてしまうのですが、そのように溺れるのは非常によろしくないです。そうすると苦しいし溺れながら周りをスイスイ泳いでいる人たちを見たら余計に焦るでしょう。

沈んでいいんです。

腹を決めてどんどん沈んでください。周りの音が全く聞こえなくなるまで。きれいに沈んだらそこで休んで下さい。休んだら自分と自分のペースでゆっくり向き合ってください。海底にいらないものを置いていってもいいのです。

しばらくしたら自然と体が海面に戻ります。もしかしたら海底で宝物を手にしているかもしれません。

ちなみにまるっとまどかはこう言ったスランプの後に新しいプログラムが出来上がったりします。

キラキラ光る宝物です。おたのしみに!

残暑厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。まるっとまどか

Comments


©2023 Madoka Nakamaru

©Photos:Tine De Wilde

bottom of page